ヨーロッパカップ戦

ユルゲン・クロップのドルトムントへの思い 「彼等を誇りに思う」


チャンピオンズリーグの試合会場へと向かうドルトムントのプレイヤーを乗せたバスが、爆発物による攻撃を受けたことは、大きなニュースとして各国に伝えられています。
詳細についての調査が続いているところですが、ドルトムントのバスを標的にしたという見解が示されており、ドイツ国内には不安と波紋がひろがっています。
記者会見に臨んだユルゲン・クロップ監督も、かつて指揮をしたチームの事故とあって、このことに対するコメントを発しています。

テロの可能性もある今回の事件ですし、ドルトムントのプレイヤー並びに関係者が受けた衝撃は計り知れないものがあるでしょうし、メンタルを取り戻すためには、それなりの時間を置く必要があったのではないか?と、私は思うし、おそらく多くの人々が、同じようなご意見をもっているだろうと推察します。

当然、試合延期の措置は取られましたが、事件の翌日開催とは、ちょっと無謀ではなかったか?という感もぬぐいきれません。

ユルゲン・クロップ監督が、記者会見で語ったことについては、LFCのオフィシャル・ウェブでも紹介がなされていますが、ここでは、その主な骨子について、私なりにまとめてみたいと思います。

(Jürgen Klopp)

皆さんが心配してくれているように、私にとっても非常に辛い出来事だ。
あのホテルは、選手たちと共に私も何度となく利用していたしね。

バスが通った道路のこともよく知っているし、そこに乗っていたのは、私の友人達なんだ。

ドルトムントの関係者に連絡もしたのだが、このような大変な時に、あれこれ言ったら迷惑だろう。
だから私は、報道を待つことにしたんだ。
あらゆるニュースを見たよ。

最も気になるのは、彼等が事件の翌日に試合をしたことだ。
試合を延期することが難しいのは理解できるが、たとえば来週に試合を組んだとしても、誰一人批判などしなかっただろう。

もちろん私も試合を観たが、この状況の中で戦い、スタジアムを素晴らしい雰囲気にしたドルトムントを心から誇りに思うよ。
勝ち負けではないんだ。
彼等が全力で戦った姿が素晴らしいじゃないか。

試合後のインタビューを受けるプレイヤー達の表情からは、ショックを受けていることが、よく分かったよ。
私自身、その様子を見て、非常に辛い思いに苛まれた。

試合の結果などよりも、ただただ彼等のことが心配でたまらなかったんだ。
私も辛い思いで一杯だが、彼等にとっては、それどころではない非常事態だ。

試合を翌日に変更することを決めた人々が、あの同じバスに乗っていたならば、翌日に試合をさせようなどとは、絶対に考えなかっただろうね。

一日順延となり開催されたドルトムント対モナコ戦は、2-3でホームのドルトムントが敗れています。
事件直後、次なる攻撃がある危険性もあり、ドルトムントのプレイヤー、関係者は、居場所を明らかにせず、身を潜めていたとも言われています。

今回の一日順延措置が、果たして適切だったのか?
プレイヤーは勿論、観客の安全面を考えたとき、今後波紋を呼ぶ可能性もあると思います。

また、大会関係者は、ぜひプレイヤーの心身のコンディションのことをもっと考慮してほしい。
そのような感を抱かせる今回の対応だったように思います。

及ばずながら、私もドルトムントの関係者に、重ねてお見舞いの言葉を述べたいと思います。

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