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スティーブン・ジェラードがリバプール退団を決意した瞬間を明かす


キャプテンの退団発表があった後、表向きと申しますか、公式的な説明はありましたが、私はその際、「キャプテンの本当の気持ちは、もっと時間が経ってから少しずつ分かってくるだろう」と、書かせていただいたところです。

自分が置かれた状況を見極めつつ、いろいろ考え抜いた結果、愛するリバプールからの退団を決定したことは間違いないと思いますが、今回キャプテンが明かしたのは、自分の中で、リバプール退団を決断した瞬間があったということでした。

その瞬間とは、昨年の11月に遡ります・・・。

一般的には、ジェラードが退団を決めたのは、昨年末に行われたブレンダン・ロジャーズとの話し合いの結果と、報じられてきましたが、その一ヶ月以上前には、既にキャプテンは、リバプールを去る決断をしていたということになります。

その瞬間とは、現地時間11月4日に開催されたビッグマッチ、チャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦(アウェイ)だったそうです。
結果は、1-0の敗戦。

この日、キャプテンは、スタメンから外されるとは思っていなかった模様です。

しかし、ロジャーズから告げられたのは、「君を試合から外すよ」ということだったそうで、その理由は、疲れを蓄積させたくないからというものだったそうです。

そのことについて、キャプテンは、こう言っています。
「でも、それはちょっとおかしいよね」
「なぜなら、相手はレアル・マドリードだよ!私はプレイしたかったんだ!」

さらにキャプテンは言います。
「私は、その指示を受け入れたよ」
「しかし、あの時ベンチに座っていることは、大きな打撃だったよ」

「すごくプレイしたかったんだ。そういうことだよ」

「そのことが、私の決断を促すことになったし、別のチャレンジを選択させたんだ」

指揮官は、時に非情にならなければいけない。
どの世界でも、そういった場面があると思います。

また、「特別なプレイヤーなんて存在しない」と、正面きって言われれば、仰るとおりです・・・・しか、言葉はありません。

しかし、チーム・マネージメントとは、人を扱っているということを忘れては、長続きしないと思います。
一人、ひとりに感情がある。

たとえば、試合の途中でエースをピッチから下げるとき、監督には、説明してあげるという配慮が求められます。

スティーブン・ジェラードにとって、レアルと対戦する!ということは、他の誰にも分からない大きな意味があったということでしょう。

よく、「ボタンの掛け違え」と言われる事態が起こりますが、監督の采配ひとつで、人生が変わってしまう場合もある。

プレイヤーを育成する力、勝負師としての力量、人心をつかむ術・・・・。
これらすべてを兼ね備えた監督など、おそらく世界にも一人か、二人しかいないことでしょう。

しかし、あのレアル戦が、キャプテンに退団を決意させた・・・と聞くと、今更ながら、ファンとしては残念。
ひとつの試合、ひとつのチョイスが、大きなものを失う結果に繋がってしまったのですね。

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