プレミアリーグ最終戦の舞台となったアンフィールドには、ユルゲン・クロップ前監督の姿がありました。
その所作の至る所に、自分が主役になってはいけないという気遣いが見られたように思います。
リバプールというチームはスロット監督に受け継がれ、今回の栄光を飾ったわけですが、プレミアリーグ優勝を成し遂げたメンバーの大多数はユルゲン・クロップさんが連れて来た選手であり、アカデミーから引き上げて来た若者です。
彼等の晴れ姿を見ることは、クロップさんにとっても感無量だったと思います。
思えば、5年前にプレミアリーグ初優勝を決めた際には、コロナ禍の影響でファンと一緒にセレブレーションをすることができなかった。
それを思い出すと、優勝を決めたリバプールが、満場のアンフィールドで試合をする姿を見たことは、クロップさんにとって多くのことが胸中に去来していたことでしょう。
クロップからスロットへ。
理想的とも言える指揮官の引継ぎを成功させたリバプール。
クロップさんのように人気が絶大で功績を残した人物のあとに監督を引き受けるのは、相当な困難があったと思います。
それをスロット監督は、緻密なプランを持って見事に成功を収め、クラブに栄光をもたらした。
この日、アンフィールドには歴代キャプテンも姿を見せていましたね。
悲願のプレミアリーグを掲げることができなかったスティーブン・ジェラード。
KOPと共に歓びを分かち合えなかったジョーダン・ヘンダーソン。
彼等が時と場所を同じくして集った。
リバプールファンにとっては、これ以上ないほどに嬉しい光景でした。
プレミアリーグが設立されて以降、長く暗いトンネルに迷い込んでいたリバプールを日の当たる場所へと導いたのは、誰あろうクロップさんでした。
改めて、1人のファンとして、ありがとう!と言いたいと思います。