リバプールの新監督に就任することが確実視されているユルゲン・クロップですが、現時点では、公式発表は金曜日だろうという説が強いようですね。
今回の監督交代劇には、多くのレジェンドが意見を語っていますが、ドイツ代表でも活躍したディートマー・ハマンは、「クロップこそ、リバプールを率いるにふさわしい」としています。
ハマンは、何も最近になって、そういう説を唱えはじめたわけではなく、だいぶ以前から「クロップならリバプールにぴったり」と、重ねて発言していました。
(DH)
彼は理想的な監督候補だよ。
私が選ぶならば、彼一人に尽きるね。
彼が監督に就任することで、リバプールが、一晩にして優勝候補になるとは、私は思っていないよ。
しかし、どこかへ持ち上げてくれるものを必要としているんだ。
彼なら、出来るよ。
リバプールは、ワーキング・クラスのクラブであり、ワーキング・クラスの街だ。
(※ワーキング・クラス:労働階級)
だから、ファンが親しみを持てる誰かが必要なんだよ。
ファンが、監督に親しみを持てるかどうかは、リバプールというクラブにとって、実に重要なことだからね。
多くのファンにとって、クロップがファーストチョイスだろう。
それに彼は、感情の火花をスパークさせることが出来るんだ。
私は、ここ12ヶ月で失われた希望をファンに与えてほしいと願っているよ。
彼こそは、試合に対する愛と情熱を持っている。
これこそが、彼がリバプールに完全にフィットするだろうと、私が考える理由だよ。
私は、彼が成功できると思っている。
ハマンは、クロップが就任したからといって、すぐにリバプールが優勝候補になるとは思っていない。
しかし、今は、失った希望を取り戻す力、浮上するためのパッションが必要なのだ!という意見だと、捉えていいと思います。
また、ハマンは、「ワーキング・クラス」という言葉を、繰り返して使っていましたが、リバプールという街の歴史を考えると、これは実に大切な部分だと、私は思っています。
ロンドンなどの、いわゆるお金持ちが沢山住んでいる街ではなく、失業問題に追われつつ、港町で、週末のフットボールだけを楽しみに暮らして来た人々によって出来た街。
イギリスの場合は、そういった階級制の余韻が、残り続け、同じ英語の発音だけでも、富裕層と労働階級で隔てられてしまう一面をもっていました。
ビートルズでお馴染みの、ジョン・レノンも、リバプール時代のことを念頭においたのでしょう「ワーキング・クラス・ヒーロー」というナンバーを創作しています。
ハマンが、言っているのは、そういった街にいる素朴なファンから愛される人物が、監督になることこそ重要だ・・・ということでありましょう。
私は、ハマンの言葉には、実際にその街で生活をしたからこその英知が潜んでいると思います。
新しいリバプール。
その姿が、本来のリバプールがもっているカラーを取り戻せるように。
期待したいと思います。