惨敗に終わったプレミアリーグ最終戦。
長くリバプールを支え続け、クラブの象徴であったスティーブン・ジェラードを送るには、あまりにも悲しい結末となってしまいました。
諸行無常の響きあり・・・と、日本でも言われますが、キャプテンのフットボール人生を慮るとき、そこには常にドラマがあったように思います。
自らの力で、ドラマをつくれる男だったと・・・。
イスタンブールの奇跡。
FAカップ・ファイナルにおける信じ難い弾丸ミドル。
ジェラードは、幾たびチームを救ってきたことでしょう。
一方、栄光と表裏をなすように、悲劇的な部分もあいまったキャプテンのフットボール人生。
いや、リバプール人生。
天下を取った英雄よりも、志半ばで倒れた者のほうが、愛されるように、この悲劇性を含んだキャプテンゆえに、ファンは、こよなく愛し続けたのではないでしょうか。
自分自身が、「イエス」と言いさえすれば、リーグタイトルを取れるクラブへ行くことも出来たキャプテン。
しかし、スティーブン・ジェラードという男は、それをしなかった。
ラスト・アンフィールド。
あの最高とも言える雰囲気の中で完敗。
リバプールのプレイヤーとして、臨んだラスト・マッチ、ストーク戦での惨敗。
そこに刻まれた、レッズ唯一の1点・・・。
人は、誰しも齡(よわい)を重ねてゆくもの。
頭では描けても、躰が思うように動かなくなっていくのも事実でありましょう。
それは、フットボーラーに限らず、どんな世界で活躍する達人にも同様のことが言える。
その人生、晩秋の季節をも受け入れてこそのファンがいる。
そして、後に続く若者達がいる。
リバプールでのキャリア。
スティーブン・ジェラードは、数々の栄光を手にし、クラブにもたらしました。
ただ、最も欲しかったものが、唯一手に入らなかった。
プレミアリーグの制覇。
スティーブン・ジェラードが持つドラマ性と悲劇性。
最後の最後まで、フットボールの神様は、キャプテンに試練を与えたようです。
クリスタル・パレス戦。
ストーク・シティ戦。
ジョーダン・ヘンダーソンを中心とし、キャプテンのために、何が?どうして?出来なかったのかをしっかりと顧みて、新しい時代の礎にしてほしいと、心から願います。
間違いなく言えることは、リバプールの大きな時代が終わったということでありましょう。
そして、今日からは、新しい時代のはじまり。
キャプテンが取り残していったものを受け継ぎ、成し遂げ、ぜひとも捧げてあげてほしいと思います。
ありがとう!スティーブン・ジェラード!