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ディルク・カイトのデビューを覚えていますか? ― 2006年8月26日、アンフィールドが見た“世界一の働き者”

Dirk Kuyt


かつてリバプールで活躍をした選手達、これを振り返ることは、もしかしたらニーズに合っていないのかもしれません。
ただ、私なりにリバプールにあった出来事やスポットを書き留めておくことも必要かなと思っております。
今回取り上げるのはディルク・カイト。

2006年8月26日。
アンフィールドで行われたプレミアリーグ、リバプール対ウェストハム。
この日は、ディルク・カイトがリバプールで公式戦デビューを果たした日です。
契約のニュースが届いたのは数日前のことでしたが、サポーターが初めてその姿をピッチで目にした瞬間でした。
あなたはあの日を覚えていますか?

スターティング・イレブンと試合序盤

ラファ・ベニテス監督が送り出した先発メンバーには、ジェラード、シャビ・アロンソ、ペナント、アウレリオ、そして前線にはクラウチとベラミー。
攻守にバランスを意識した布陣で臨みました。

試合を動かしたのは17分、センターバックのダニエル・アッガーでした。
35ヤードから左足を振り抜いた豪快なシュートがゴールネットを揺らし、アンフィールドは大歓声に包まれます。
この一撃はプレミアリーグの月間最優秀ゴールに選ばれるほどの名シーンとなりました。
さらに後半、ピーター・クラウチが追加点を奪い、リバプールがリードを広げます。

カイト投入の瞬間

後半に入り7分のこと、アンフィールドが再び沸き立ちます。
背番号18を背負った新加入のディルク・カイトがクラウチと交代し、ついにデビューの時を迎えました。

得点こそなかったものの、前線からの 厳しいプレス!相手守備への粘り強いチェイシング、休むことのない運動量を見せ、短時間でアンフィールドの空気を変えてしまいました。
サポーターは「ただの点取り屋ではない、新しいリバプールの戦士がやってきた」と直感したはずです。

試合の結末とファンとの絆の始まり

終盤にウェストハムが1点を返しましたが、試合は リバプールが2-1で勝利。
カイトのデビューは勝利という最高の形で飾られました。

試合後、カイトはピッチを一周し、スタンドの四隅へ感謝を示す姿を見せました。
まだゴールを決めていない新人が、ファンに誠実に向き合うその姿は、すぐにサポーターの心をつかんだのです。
この礼節と献身こそ、後に「リバプール魂の象徴」と呼ばれるようにもなったカイトを形づくるものであり、その第一歩がこの日だったのです。

結び

契約の日は、リバプールとカイトとの約束でもありました。
そして2006年8月26日、アンフィールドでのデビューは誓い。

ディルク・カイトは、この日から最後の試合まで、変わることなく汗を惜しまず、チームのために走り続けました。
ゴールを決めるかどうか以上に、彼の姿勢そのものがファンの誇りとなっていったのです。
リバプールには偉大なレジェンド達がいます。
そんな中、ディルク・カイトは一際思い出深く、私の心に刻まれたヒーローなのです。
オランダからやって来た世界一の働き者。

――あなたはあの日、アンフィールドで立ち上がったカイトの姿を覚えていますか?

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Toru Yoda

ただの埼玉の隠居です

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