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復古ではなく、未練でもなく 今のリバプールにほしいジョルジニオ・ワイナルドゥムのようなタレントのこと

Georginio Wijnaldum

気合を入れ、集中して仕事をしていたため、正直なところを言えば、かなりぐったりです。
そんな日の帰り道、ふと考えていたことがあるのです。
――いまのリバプールには、ジョルジニオ・ワイナルドゥムのような選手が必要なのではないか、と。

最初にお話をしておきたいと思います。
これは「ワイナルドゥムを戻してほしい」という願望ではなく、「彼がいないからダメだ」というものではまったくありません。
まして「昔は良かった」などと嘆くつもりは毛頭ありません。

ただ、ひとつだけ確かに言えるのは、
“チームが最も強かった時期、その中心には必ずワイナルドゥムがいた”
という事実です。

数字に表れない価値を持つ選手だった

ワイナルドゥムには、派手なパフォーマンスや華麗なるプレーはさほどありませんでした。
しかし、彼はそれ以上に、試合の根幹を支える「目に見えない仕事」をやり続ける選手でしたね。

  • 失わないボール
  • 黙々と走るライン間の往復
  • 何事もなかったかのように整えるトランジション
  • 相手の攻撃の芽を、気づかれぬうちに潰す位置取り
  • 味方が息をつけるように作る“安全地帯”

リバプールが相手を圧倒できたときも、苦境で踏ん張れたときも、その根には、彼の存在があった。

クロップ監督が重要な試合で“絶対に外さなかった”選手

何より象徴的なのは、ユルゲン・クロップ監督が、どれほどジニを信頼していたかということです。
大一番になればなるほど、クロップ監督は迷いなくジニを先発に据えたものでした。
それは、数字では測れない選手の価値を、クロップ監督が誰よりも理解していた証拠だと思うのです。

チームが攻めに出るとき、守りに耐えるとき、試合の流れを立て直すとき――
クロップ監督は、誰あろうジニという選手を“軸”として扱っていたように私には思えるのです。

ジニがもたらすチームの安定が、リバプールの強さであり、面白さを支えていたような気がして仕方ありません。

今のリバプールに足りない“黒子の安定”

現在のチームには、多くの才能が揃っている。
綺羅星のようにスターが居並ぶ壮観な顔ぶれです。
攻撃的な能力に秀でた選手、パスで試合を創れる選手、試合を決める選手もおり、ある意味華麗なる集団となりました。

しかし、試合の中で突然流れが傾く瞬間や、中盤が落ち着かない時間帯では、
「ボールを失わない」「走り続ける」「崩れない」
という、あの“ワイナルドゥム型の存在”がいれば――そう感じる場面がなかったと言えば嘘になります。

重ねてになりますが、これはジニに戻って来てほしいという話ではありません。
ジニのような役割、つまり
“泥くさく、黒子となり、派手さはなくてもチームを強くする選手”
が必要だという私見を述べさせていただきました。
しかも、ジニの場合には極めて稼働率が高く、怪我がほとんどなかったですからね。
これは、監督にとって計算が立つ選手だったことを意味します。

今のリバプールに何かが少しだけ足りないとすれば、ジニのようなタイプがピースをひとつ埋めてくれる気がしてならないのです。

派手ではないが、強さの中心だった男

ジョルジニオ・ワイナルドゥムは、決して光の中心に立つタイプではなかった。
しかし、チームが強くあるためには欠かせない存在でした。
まるで壊れずトルクのあるエンジンのような選手。

あの頃、クロップ監督が重要な場面で彼を外さなかった理由。
それこそが、いま振り返ってみても、リバプールが必要としているもののヒントなのかもしれません。
ジニが果たしたような役割、それを継ぐ者がヤング・レッズから出てくるかもしれない!
私は、その日を信じて、楽しみに待ちたいと思います。

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Toru Yoda

ただの埼玉の隠居です

Liverpoolのことを書き続けて幾年月
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