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プレミアでの展望を開いたフロリアン・ヴィルツ「良くなっていることを感じている」

Florian Wirtz shines against Spurs in London

ロンドンの夜、あのトッテナム戦は荒れ模様でもあったように思います。。
理不尽さと熱狂、緊張と混沌が、同時に押し寄せる場所。

その夜、ピッチに立っていたフロリアン・ヴィルツは、勝利のあとで多く誇ることはしていません。
代わりに語ったのは、手応えと反省、そして確かな実感でした。
――「良くなっていることを、感じている」。

プレミアリーグという激流の中で、彼はいま、自ら展望を開き、それはちょうど見晴台に立ったようなものだろうと私は考えています。

■ロンドンの夜に確かめた現在地

土曜の夜、スパーズホームで行われた一戦は、決して静かな試合ではありませんでした。
複数の退場者が出て、流れが揺れ、空気が何度も変化するという激流の90分間。
それはある意味、プレミアリーグらしい、荒々しさを孕んだ90分間だったと言えるかもしれません。

試合後、フロリアン・ヴィルツは、Liverpoolfc.comのインタビューに応じ、この一戦を振り返っています。
その言葉は感情というよりも、まさに今、ヴィルツの実感に近いものでした。

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■「クレイジーな試合だった」――率直な実感

「その通りだね!」

“クレイジーな試合だったか?”と問われたヴィルツは、そう即答しています。

「でも、最終的に勝てたことが嬉しいよ。
結局のところ、勝ち点3がすべてだし、それだけが重要だった。だから、僕達は満足しているよ」

混沌とした試合展開のあとでも、ヴィルツの言葉は驚くほど整理されており、いよいよプレミアリーグに馴染んで来たか!と思わせるものがあり。


勝利とは何か。
このリーグで何が求められるのか。
リバプールの7番は、既にそれを理解し始めているように思えるのです。

■勝ち点3だけが残るという現実

内容が良くても、勝てなければ意味はない。
そうした現実を何度も突きつけてくるプレミアリーグ。

だからこそ、ヴィルツの「3ポイントがすべてだった」という言葉に軽さはなく、まさにプレミアリーグのスターダムへの道に入った自信さえ垣間見られます。


美しさよりも、結果。
理想よりも、現実。
それを受け入れた上で、前に進もうとしているヴィルツ。

■初アシスト、そして70分間の手応え

この試合でヴィルツは、今季プレミアリーグ初アシストを記録しました。
そう、リバプールの一員として!

「それも良かったよ」と彼は語ります。

「70分くらいまでは、僕達は本当にとても良い試合をしていたと思う。
前半はカウンターをいくつか受けたけれど、守備の部分ではもっと良くできるはずだ」

ただ褒めるだけではない。
同時に改善点も口にする。
それこそが、ヴィルツが今いる場所を物語っているように私には思えます。

■荒れた終盤、それでも試合を終わらせる

「全体としては、70分間はとても良い試合だったと思う。
相手はセットプレーからゴールを決めたね」

リバプールの失点後、試合は一気に荒れ模様に。

「あのゴールのあと、試合は少しワイルドになった。
でも、こういう試合ではいつもそうなんだ。
相手が1点を取ると、当然2点目を狙ってくるからね」

そういった中で冷静さを保てるかが、勝ち点3に届くか否かの分岐点になることもありますね。

「最終的には、試合を終わらせて、勝ち点3を取ることだけを考えなければいけない。
それこそ、僕達がやったことだよ」

■「毎週、良くなっている」その感覚

この試合での貢献が多くのファンから評価され、ヴィルツはLiverpoolfc.comのカールスバーグ・プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

ですが、彼自身が語ったのは、授賞したことよりも自ら得ている感覚、いわばフィーリングのことでした。

「いくつか良い場面があったと思う。
ゴールにつながる危険なプレーを生み出せる、良いポジションに入ることができていた」

ヴィルツは、こう続けています。

「毎週のように、良くなっていることを感じているよ。
それをピッチの上で感じられることが、とても嬉しいんだ」

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■楽しめているという、何よりの証であり手応え

「いまはフットボールを楽しめている」

この一言が、すべてを物語っているのかもしれません。
厳しさの中で楽しめているということは、即ち新しい環境であるプレミアリーグに馴染めて来たということだと私は思います。
それは、適応が進んでいる証であり、未来が開けている証ですね!

プレミアリーグ、世界で最も激しく速いと言われる場所で、フロリアン・ヴィルツは着実に進化を遂げている。
元来、計り知れない才能をもった選手だけに、この境地に達したならば、あとはスターの座に君臨するまでですね。

フロリアン・ヴィルツの展望は大きく開いたのであり、見晴台の頂上からライバルチームの陣形を眺めている。
その脳裏には、明快な戦略が浮かび、確かな絵として描かれはじめていることでしょう。

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