1892年に設立されたリバプールFC。
長きに渡るクラブ史の中には、栄光あり歓喜があると共に、失意、悲劇もありました。
その象徴として、1989年4月15日に発生したヒルズボロの悲劇があります。
あれから28年の歳月が流れましたが、リバプールの関係者は決して風化させてはならないとの意志のもと、常にご遺族に寄り添ってきました。
ヒルズボロの悲劇とは、シェフィールドのヒルズロボスタジアムで開催されるはずだったFAカップ、リバプール対ノッティンガム・フォレストの試合で発生した、あまりにも悲しい事故でありました。
ゴール裏のスタンドに収容能力を超える観客が入場し、スタジアムが崩壊するという惨劇に。
96名の皆さんが亡くなり、766人の重軽傷者を出すという惨事に発展しました。
昨年には、運営者側の観客誘導、救助措置に瑕疵があったことが認められ、大きな動きがあったことは、記憶に新しいところです。
ご遺族にとっては、長い、長い歳月だったことでしょう。
リバプールは、この日を特別なものと位置づけ、常に変わらず哀悼の意を表し続けてきました。
この事故をきっかけに、誰もが安心してフットボールを楽しめる環境をつくろう!という意識が芽生えたという事実もあります。
リバプールでは、毎年のように追悼のイベントも実施しており、お亡くなりになった96人の名前を呼び、冥福を祈り続けています。
大きな悲しみは、むしろクラブとファンの絆を強いものにしたようにも思います。
私も、まがりなりにもリバプールを愛する者の一人として、ヒルズボロの悲劇で命を落とされたファンの皆様へ、心から哀悼の意を表したいと思います。
そして、忘れてはいけないのは、残されたご家族のことですね。
リバプールにとっては、決して忘れてはいけない大切な日。
明日のウェストブロム戦の試合前には、セレモニーも行われることでしょう。
リバプールのプレイヤー達が、より心をひとつにして、天国のファンに捧げる試合を演じてほしいと、心から願っています。
私も、自分が文章を書ける限り、毎年この日には、自分なりの思いを綴り続けていきたいと思っています。
重ねて、96人のご冥福をお祈りすると共に、天を見上げる日とする所存です。
どうか安らかに。