非常に複雑な様相を呈している代表不参加を巡るジョエル・マティプの現状ですが、ユルゲン・クロップ監督は記者会見において、今の心境を明かしています。
ユルゲン・クロップとしては、長い人生においても、こういった状況に直面することはなかったとも語っています。
リバプールにとっても、ジョエル・マティプにとっても、歓迎せざる事態になっていることは間違いないことですね。
ここでは、記者会見において、ユルゲン・クロップ監督がジョエル・マティプ案件について語った部分について、その一部ですが私になりにご紹介をしたいと思います。
(Jürgen Klopp)
私の人生において、多くのことが起きたわけだが、今回のようなケースは初めてだよ。
似たような事態にさえ、置かれたことはないね。
私は、誰かを批判することはしたくない。
それは重要なことだ。
しかし、サポーターは、今の状況がどうなっているのかを知る権利があるはずだ。
私達は、間違ったことなど何もしていないし、ジョエル・マティプも間違ったことなどしていないんだ。
ジョエルは、2015年からカメルーン代表でプレイをしていないし、それは、リバプールにやって来たときには、彼はカメルーン代表ではなかったということだ。
もちろん今も、カメルーン代表には入っていないね。
しかし、現段階でジョエルにリバプールでプレイをさせられるかは、100パーセントだとは言えない状況になってしまっている。
それが現状だよ。
彼を明日の試合(FAカップ)でプレイをさせたいとは思っている。
だが、確信が持てないんだ。
怪我が明けた彼にとっては、明日の試合はプレイをする良いタイミングなのだが。
ただ、その確信がはっきりと得られていないのが現状なんだ。
FIFAはといえば、今週金曜日に調査を始めるかを検討するなんてことを言ってきたよ。
私はルールを守る人間だよ。
しかし、そのルールというものは、人としての常識に裏打ちされたものでなければいけないね。
私達は、間違ったことなど微塵もしていないのだから、そもそも調査なんて必要ないだろう。
もし金曜日からFIFAが調査を始めることになった場合には、その決定が出るまでに7日間~10日間ほどはかかるなんていうんだ。
それはFIFAが言ってきたことだよ。
FIFAが調査を始めるとしている金曜日までの間だけでも、ジョエルはマンチェスター・ユナイテッド戦、プリマス戦、スウォンジー戦に出場できないことになってしまう。
その後、FIFAが決定を出すまでに、約一週間がかかるというのだから、さらに2試合は出場が出来ないなんてことになってしまうよ。
人として、こういった事態は、まったく受け容れることは出来ないね!
今回のことは、断じて受け容れ難いことだ。
仕方がないで済まされる問題ではないんだよ!
ユルゲン・クロップが、一言物申したくなる気持ちは、よーく理解できます。
あまりにも、不条理だし、何よりファンのことを微塵も考慮していないカメルーンとFIFAのスタンス。
私は率直に言って、呆れています。
先日も書きましたが、代表からの招集が、それほどまでに拘束力があるのなら、イングランド代表引退を表明したジェイムズ・ミルナーに再び招集がかかった場合、FIFAの理屈では、拒否できないということになります。
これは、とりもなおさず、カメルーンという国が、プレイヤーとの良好な関係を築けていないことを天下に知らしめたものだと思います。
長い目で見れば、カメルーン代表は、負の要素を抱え込み、将来は暗い。
そう言わざるを得ません。
ユルゲン・クロップ個人としては、FAカップでジョエル・マティプを使いたい気持ち、意思はあることでしょう。
ただ、チームの責任者として、ユルゲン・クロップが取った判断が、クラブにも影響を与える事態も予想はされます。
どこまでリバプールが、クラブとしてFIFAと対峙、対決する腹を据えるか!が、ポイントだし、その決断をするには、もう時間は残されていせん。
それにしても、カメルーン代表の幼稚な対応といい、FIFAの石頭ぶりといい。
嘆かわしいことです。