スコアレス・ドローで終えたエミレーツでの対アーセナル戦ですが、私はこの試合から、これまでとは違ったリバプールの姿を見たような気がしています。
以前、一度だけですが、「リバプールのチームカラーとして仕方がないが、試合を制するためには、時にカウンターも出来たらいいな」・・・というようなことを書いた記憶があります。
今回のアーセナル戦では、そういったことも出来る!という一面が見えたように思えるのです。
試合の各データからも、興味深い数字が浮かび上がってきますので、ちょっとだけ、ご紹介してみたいと思います。
まず、ボール・ポゼッションですが・・・
アーセナル=65.7パーセント
リバプール=34.3パーセント
と、圧倒的にアーセナルが上回っています。
ブレンダン・ロジャーズ体制になってからを考えると、リバプールとしては、極めて低いポゼッションだったと思います。
しかしながら、攻撃面のスタッツを見ると、意外な一面が浮かび上がってきます。
トータル・シュート数では、19対15で、アーセナルが上回っているものの、オンターゲットとしては、アーセナルの5本に対し、リバプールは8本と上回っています。
コウチーニョが放った、ゴール・ポストとバーを叩いたシュートもありましたしね。
また、ボックス内でのシュートも、10対11と、リバプールが上。
これだけ低いポゼッションでも、互角以上にチャンスを作れていたと言えそうです。
ブレンダン・ロジャーズが標榜してきたフットボールは、高い位置でプレスをかけてボールを奪い、細かいパスを綺麗に繋ぎながら、ゴールまで持っていくというスタイルでした。
今回のアーセナル戦で、攻撃あるいはチームとしての戦い方に、オプションが一つ増えたと言えそうです。
これは、ある意味、良いことではないでしょうか。
相手と場所にもよりますが、ポゼッションを犠牲にした中でもチャンス・メイクが出来る・・・ということは、今後の武器になる気がします。
幸いなことに、試合を重ねるごとに、新戦力である両サイドバックが、安定した力を発揮してくれているように思えます。
チームが熟成していけば、更なるサイドからの攻撃参加も増えることでしょう。
お膳立てのメニューが増えれば、あとはストライカーの力。
ベンテケ、あるいは復帰してくるスタリッジに期待がかかりますね。
また、ぜひ、イングスも使ってあげてほしい・・・と、私としては思っています。
次節のウェストハム戦は、当然の如く、アーセナル戦とは異なる戦い方になることでしょう。
アンフィールドで、ウェストハムのようなチームと戦うとき、リバプールが、どんな戦術を取ってくるのか?
見物でもあるし、楽しみです。
時に、ショート・カウンターもあるんだぞ!という姿を見せておくことで、試合全体を支配する力も向上すると、私は思うのですが。
今後、上位チームと対戦する際には、アーセナル戦で見せた戦い方も、選択肢の一つになるかもしれませんね。
勝てるチャンスは、十分にあったのですから。