
リバプールの両サイドバックは、単なるポジションではありませんでした。
アンディ・ロバートソンとトレント・アレクサンダー=アーノルドが躍動した時代が確かにあった。
この2人がピッチの両翼に立つ姿そのものが、近年のリバプールを象徴してきたと言っても過言ではありません。
ロボに対するゴシップ
世紀の大バーゲンと言われ、当時としては格安の移籍金でリバプールにやって来たのがアンディ・ロバートソン。
最初のシーズンこそ、ポジションをつかむまでには時間がかかりましたが、以降ずっとリバプールを支える左サイドバックとして貢献をしてきました。
そのロボに、トッテナム行きの噂が出ていることは、多くのリバプールファンがご存じだと思います。
リバプールとの契約満了期限が近づいていることもひとつの要因かもしれません。
この件について、会見でスロット監督は問われ、ロボにはいてほしいという発言をしています。
ロボは残ると思うと語ったスロット
「ロバートソンは明日のチーム(カラバフ戦)のメンバーに入る。彼は長年このクラブの一部だった。ここにいてくれて嬉しいよ」
「この世界で、何かを断言するのは難しいが、私は彼が残ると思っているんだ」
リバプールの場合、選手の去就に関してスロット監督が全権を握っているわけではありません。
ただ、少なくとも現場の監督は、ロボには残ってほしいという希望があるということですね。

近年におけるリバプールの「形」をつくってきた両翼
ユルゲン・クロップ監督の時代を通じて、リバプールのフットボールを外から見た人々の記憶に強く刻まれた光景があります。
それは、右サイドから正確なボールを供給するトレント・アレクサンダー=アーノルドと、左サイドを何度でも上下動し続けるアンディ・ロバートソンの姿です。
実際、彼等は幾多のチャンスメイクをし、数多くのアシストを記録してきました。
両SBはリバプールの時代の顔
両サイドバックが、単なる守備者ではなく、攻撃の起点となり、時にはウイングのように、時にはゲームメーカーのように振る舞う。
そのスタイルそのものが、リバプールの“時代の顔”でした。
カウンターの場面で、一気にタッチライン沿いを駆け上がる。
中央に絞り、視野の広さとキック精度で試合の流れを変えるアレクサンダー=アーノルド。
この対照的な2人が同時に機能することで、リバプールの攻撃は立体的になり、予測不能なものになっていきました。
だからこそ、ロバートソンの名前が移籍市場の話題に上ることに、多くのファンが単なる戦力以上の感情を抱くのも自然なことだと思います。

去就よりも信頼を語ったスロット
スロット監督のコメントは、現実的なものだったように思います。
「この世界で、何かを断言するのは難しい」と前置きし、移籍市場の不確実性を否定しませんでした。
それでも最後に、「私は彼が残ると思っている」と語った点に、静かな意思を感じます。
注目すべきなのは、スロット監督がロボを「このクラブの一部だった選手」と表現したことです。
そこには、序列や市場価値、年齢といった数字の話ではなく、時間と歴史の話があります。
ロボは、数々のタイトルと歓喜の瞬間をこのクラブと共に経験してきました。
ピッチの上で流した汗も、アンフィールドで交わされたチャントも、すべてが“所属選手”という言葉以上の重みを持っています。
こんな選手を信頼しない監督は、まずはいないだろうと私は思っているのですが。
新しい時代の中で、残る風景
リバプールは今、新しい時代の入り口に立っています。
戦術は変わり、選手の役割も変更・更新されていきます。
ミロシュ・ケルケズの加入によって、左サイドバックの序列や役割が変化していることも事実です。
それでも、ロバートソンという存在がチームにとって持つ意味は、単なるポジション争いだけでは測れないものがあると私は強く思っているのです。

ロボとトレント
一方で、トレント・アレクサンダー=アーノルドもまた、リバプールの“象徴”として語られる存在です。
アカデミーからトップチームへと駆け上がり、世界最高峰の舞台でその名を知らしめてきました。
この2人が両翼に立つ光景は、勝利のための戦術であると同時に、リバプールがどんなクラブでありたいかを示す“象徴”でもあったのだと思います。
時代は変わるが、されど
移籍の噂は、これからも消えることはないでしょう。
市場が開いている限り、選手の名前は常に見出しの中に並び続けます。
しかし、スロット監督の一言は、その喧騒の中で、少し違う角度からロボを見つめる視点を提供したもののように感じます。
「明日のチームの一員だ」
その言葉は、未来の約束ではありません。
けれど、少なくとも“今”を共に戦う仲間として、確かに信頼しているという宣言でもあります。
ロボとトレント。
象徴としての両翼が描いてきたリバプールの風景は、果たして消えるものではない――
彼等が築いて来たリバプールの歴史、栄光の数々は、誰あろうファンの心に刻まれているのですから。
