FAカップ3回戦ではセンターバックとしてスタートから出場した遠藤航、セカンドハーフにはトレント・アレクサンダー=アーノルドからキャプテンのアームバンドを託されるというシーンもありました。
遠藤のことを伝えるメディアのスタンスを見ていると、さも遠藤がフラストレーションをためているという書き方をしていることが目に付きます。
プロのフットボーラーとして出番が欲しいのは当然ですが、フラストレーションという言葉が遠藤の心境を表す適当なものとは私には思えません。
スロットが構築しようとする理想のチーム像にとって、遠藤はスタイルが異なる。
単にそういうことだと思います。
遠藤のスキルを否定されているわけではないし、もし遠藤が信用されていなかったら、センターバックとしての起用もないことでしょう。
その遠藤ですが、FAカップ3回戦の試合後にはエコーのレポーターとやり取りをしています。
そこでの発言については、例えばこんな言葉もありました。
Wataru Endo
いや、自分のポジションについて監督とは話し合っていないよ。
ジョーイ(ゴメス)は怪我をしていて、イボウ(コナテ)は復帰したばかりだから僕がプレイしたんだ。
彼(スロット)は、僕をディフェンダーとして起用することが彼の戦術を実行するための良い選択肢だと考えているから、これまでよりも多くの時間でプレイが出来たらと期待しているよ。
実は、18歳から25歳まではディフェンダーとしてプレイをしていたんだ。
センターバックでも6番でも構わない、自分に出来ることをやるだけさ。
たとえ20分でもキャプテンとしてプレーするのは名誉なことだよ。
でも、僕はただ良いパフォーマンスをするように努めるだけだ。
アクリントン戦では良いプレーができたと思う。
コンスタントにプレイしていない選手も出場時間を得ることができて、とても良いプレーを見せた。
それがチームにとって何かを達成する上で最も重要なことなんだ。
全員の力が必要だし、これからの試合すべてに備える必要があるよ。
もちろん、勝ったことは重要だけど、多くの選手が出場時間を得たので、それがチームにとって今シーズンの成果を上げる上でも重要だね。
僕はイライラなんてしていないよ。
常にチームの助けとなるよう準備をしている。
もちろんすべての試合に出場したいけど、チーム全員の力が必要なんだ。
僕にできるのはすべての試合に向けて準備することなんだよ。
(スロット監督と前監督のユルゲン・クロップ監督とで)大きな違いはないと思うけど、我々はプレッシャーを強くかけたい。
新監督はより安定していて、選手たちに自分の望むポジションに留まってほしいと思っているところが違いと言えば違いかな。
僕は、彼の現在のやり方を本当に楽しんでいるし、誰もが彼の戦術を楽しんでいると思う。
スロット監督のやり方や戦術を楽しんでいると語る遠藤。
もちろん出番は欲しいと言いながらも、常に準備をしておくことに専念しているという趣旨の発言をしていました。
確かに遠藤は、少ない出場機会であっても、ピッチに入ったときには悪い日がありませんね。
これは、たいしたものだと思います。
ひとつ確実に言えることは、遠藤は現状についてフラストレーションをため込んだり、嫌気がさしていることなどないということです。
次に遠藤が出番を得たときには、より心から応援したいと思います。