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なぜリバプールは若きセンターバックを集めるのか──“次世代守備ライン”構想とジャケ獲得の意味

In the last six months, Liverpool have recruited young centre-backs. Is this a club strategy? Verify.

この半年で、リバプールは20歳以下のセンターバックを相次いで獲得しています。
今冬に加わったジェレミー・ジャケも、その流れの中に位置づけられる存在です。
ジャケを加えると、直近6か月でリバプールが獲得した若手CBは、実に5人を数えている実情。
この補強戦略は、単なる若手への投資なのか。
それとも、次世代の守備ラインを見据えた“構想”なのでしょうか。

リバプールが20歳CBジェレミー・ジャケを獲得へ──フランス育成が生んだ“インテリジェンス型DF”

20歳以下のセンターバックが並ぶ異例の補強戦略

過去6か月間で、リバプールは複数の10代センターバックと契約を結びました。
19歳、18歳、17歳――この年齢構成は、プレミアリーグのトップクラブとしては極めて異例です。

この動きが示しているのは、短期的な穴埋めではありません。
守備ラインそのものを“世代交代前提”で再構築しているという、クラブの明確な意思が感じられるのです。

トップチームに迫る「変化のタイミング」

現在のリバプール守備陣には、明確な軸があります。
ファン・ダイクという絶対的なリーダーのもと、経験と強度、さらにはスピードでプレミアリーグを戦い抜いてきました。

しかし同時に、クラブは現実とも向き合っています。
センターバックというポジションは、フィジカルのピークとパフォーマンスの持続が密接に結びつくポジションです。
世代交代を後回しにすれば、ある時点で一気に“空白の時代”が訪れるリスクを抱えているからです。

昨夏、実績ある即戦力の獲得を狙った動きも、その危機意識の表れだったのでしょう。
ただしリバプールは、同時に別の答えにもたどり着きました。
それが、「完成された選手を買う」のではなく、「完成する過程をクラブの中で育てる」という選択です。

若さ=リスク、しかし“設計されたリスク”

10代のセンターバックに数百万ポンド、あるいはそれ以上の投資をすることは、当然リスクを伴います。
フィジカルの成長、戦術への適応、メンタル面、そしてプレミアリーグ特有のスピードと強度――未知数は少なくありません。

しかし、リバプールの補強は単なる“賭け”ではないように思えるのです。
ユース代表での実績、国際大会でのパフォーマンス、スカウティングデータ、試合中の判断力やポジショニング。
クラブは複数の視点から将来性を精査した上で、“設計されたリスク”を取っているように見えます。

ジャケは「今」と「未来」をつなぐ存在

今回加わったジャケの立ち位置は、これまでの若手獲得とは少し異なります。

彼は20歳。
完全な育成枠ではなく、中期的にトップチーム戦力へと引き上げることを前提とした存在だと考えられます。

プレースタイルは、フィジカルと読みをベースにしたモダンなセンターバック像に近いものがあります。
ビルドアップへの関与、広いスペースのカバー、そして1対1での強度。
これらは、リバプールがこれからも“高い最終ライン”と“前向きな守備”を維持しようとしている証とも言えるでしょう。

ジャケは、10代のプロジェクト組と、現在の主力センターバック陣のちょうど中間に位置する橋渡し役と考えるべきなのかもしれません。
育成と即戦力、その両方の性質を併せ持つ存在として獲得された可能性があります。

なぜ、ここまでセンターバックに集中するのか?

現代フットボールにおいて、センターバックは単なる「守る選手」ではありません。
そのことは、多くのサポーターが知っている。
試合のリズムを作り、ラインを押し上げ、ビルドアップの起点となる存在です。

リバプールが目指しているのは、
「守備の再構築」ではなく、「チーム構造そのものの再設計」なのかもしれません。

若いセンターバックたちを長期的に育てることで、
・戦術理解をクラブの文化とともに刷り込む
・プレミアリーグ仕様のフィジカルを内部で作り上げる
・市場価格が高騰する前に“自前の中核”を確保する

これらを同時に実現しようとしているように見えるのです。

短期・中期・長期を見据えた“守備ライン構想”

リバプールの近年の補強選手の平均年齢は、22歳未満です。
それでもクラブは、クオリティと競争力が、すぐにでもトップレベルに到達できると信じているように見受けられます。

短期:主力選手のバックアップとローテーション要員
中期:ジャケ世代がファーストチームに定着
長期:10代組がクラブの新たな守備の軸へ

この三層構造こそが、今回のセンターバック大量獲得の核心だと言えるでしょう。

これは補強ではなく「継承」

リバプールが若いセンターバックを集めている理由。
それは単なるトレンドでも、コスト削減でもありません。

守備の“思想”を、次の世代へと継承するためのプロジェクトなのではないでしょうか。

ジャケの加入は、その中で初めて「今」と「未来」が重なる地点に立つ存在だと言えます。
彼がこの構想の象徴としてアンフィールドのピッチに立つ日が来るのか。
その瞬間こそ、リバプールの次世代守備ラインが現実のものになる合図になるように思えるのです。

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  • この記事を書いた人

Toru Yoda

ただの埼玉の隠居です

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