
本来であれば、プレミアリーグ最終戦を迎えるアンフィールドは、2人のレジェンドを満場の祝福により送り出すはずでした。
しかし、モハメド・サラーが明らかにアルネ・スロットを批判したことにより、難しい状況が生まれたことも事実。
スロットは厳格な監督としての威厳を示すのか?
人間の器が大きいという評価を得るのか?
それとも、あくまで勝つチームを構成することを優先するのか。
この点についてThe Athleticは、5人の記者がどのような見解を示すかについて記事にしています。
ここでは、その骨子を見てみたいと思います。
オリバー・ケイ
まず第一に、偉大な選手は全員が、熱狂的な送り出しを受けるものだという考え方自体が、少しナイーブなものに感じるよ。
誰もが完璧な結末を望むものだが、現実には状況や人間関係の悪化によって、それが左右されることは少なくないしね。
第二に、もし別れ方が後味の悪いものになったとしても、それでモハメド・サラーのレガシーが傷つくという考えは馬鹿げている。
20年後、どれだけの人が、サー・アレックス・ファーガソンがウェイン・ルーニーを、マンチェスター・ユナイテッドでの最後の試合になるはずだった一戦のメンバーから外したことを覚えているだろうか?
それはオールド・トラッフォードにおけるファン・ニステルローイの評価を形作るものではないしね。
ただの脚注に過ぎないんだ。
第三に、現実的な観点から言えば、アルネ・スロットがこの件で戦争を始める価値なんてないと思うよ。
サラーの言葉に含みがあったのは確かだし、私は彼が監督だけでなく、不振に陥っているチームメイトたちにも矛先を向けていたと感じたね。
その中には彼のInstagram投稿に「いいね」を付けた選手もいる。
しかし、それでも処分に値するような行動には思えなかったんだ。
日曜日に彼を外して、スロットは何を得るんだい?
権威?
私はそうは思わないよ。
サラーに最後の出場機会を与えなければ、他の選手たちの一部には悪い印象を与えるだろうし、サポーターには極めて不評となるはずだ。
最後に言えるのは、すべてが本当に残念だということだよ。
昨年の今頃、スロット就任初年度でプレミアリーグを制した後のリバプールは、とても団結して見えたからね。
今振り返れば、あのタイミングこそ、サラーが美しく去っていくには完璧な時期だったのかもしれないとも思う。
今シーズンは、関係者すべてにとって見苦しいシーズンとなってしまった。
サラーにどんな不満があったとしても、ボールを持っている時も持っていない時も、彼自身の貢献度が落ちていることは事実であって、ヘビーメタル・フットボールを再び実現するという話が、現実離れした理想論に聞こえてしまう理由のひとつでもあるんだ。
モハメド・サラーが、リバプールの選手として最後の一週間をどのように終えることになろうとも、アンフィールドにおける彼のレガシーは、すでに揺るぎないものとして刻まれているんだ。
その偉業に、完璧な別れという美しい締めくくりが加われば素晴らしいし、そう願いたくはなる。
しかし、フットボールの世界では、必ずしも自分の望む形で別れを告げられるとは限らないものなんだ。
ジェームズ・ピアース
アルネ・スロットは、唇を噛みしめてでもモハメド・サラーを先発起用しなければならない。
ただでさえ、このオランダ人指揮官は多くの問題を抱え過ぎている。
そこへ、クラブ史上3番目の得点者であるサラーが、アストン・ヴィラ戦での散々な4-2の敗戦後、扇動的なSNS投稿によってさらなるネガティブな空気を生み出してしまったことは確かだ。
しかし、サラーをベンチに置く、あるいはメンバー外にすることは、完全に自滅的な判断となるだろうね。
今シーズンを通じて両者の関係がどれほど悪化していようとも、スロットはより大きな視点で物事を見る必要がある。
サポーターは日曜日、サラーとアンディ・ロバートンという、去りゆく2人のレジェンドへ感謝を示すためにスタジアムへ足を運ぶんだ。
彼らがピッチに立つことで祝福の空気が生まれ、ファンはシーズン全体への怒りや失望を脇に置いて、この2人がその功績にふさわしく、感情に満ちた送り出しを受けられるようにするはずだ。
もしサラーがその機会を奪われたらどうなるかを想像してみてほしい。
キックオフ前から、スタジアムの空気は険悪なものになることだろう。
スロットが、サラーの振る舞いに失望しているのは間違いない。
この9か月間でチームの基準が大きく低下した原因の一端が、サラー自身にもあると指摘する権利も彼にはあるよ。
しかし、言葉の応酬はクラブをさらに傷つけるだけなんだ。
来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得のために結果が必要かどうかに関係なく、サラーはもう一度、あの右サイドに立たなければならないよ。
アンディ・ジョーンズ

モハメド・サラーは、自らのチームの監督をどう転んでも勝ち目のない状況へと追い込んでしまったね。
率直に言えば、その結果、パフォーマンスの低下やサポーターの不満によって、スロットの立場そのものが、ここ最近ますます「何をしても正解がない」状態へと傾いていたよね。
もしスロットが、サラーをメンバーから外せば、サポーターの不満はさらに燃え上がるだけだろう。
逆に起用すれば、それは監督としての権威を損なうことにもなりかねない。
もっとも、エジプト代表FWのあの声明自体が、すでにその状況を作り出してしまったとも言えるよ。
今月初め、負傷離脱中に公開されたインタビューの中で、サラーはブレントフォードとの最終戦には必ず戻ってくると強く主張していた。
しかし、アストン・ヴィラ戦で短時間出場した後の状態を考えれば、ベンチスタートになるのか、先発できるのかは、最終的にはコンディション次第となることだろう。
純粋にフットボール面で見た場合、スロットが抱える問題は、17歳のリオ・エングモアを除けば、最近のリバプール攻撃陣が精彩を欠いていることにある。
さらに、イサク、エキティケ、ヴィルツも不在となっている状況だね。
もし、ボーンマスがマンチェスター・シティ戦で勝利し、チャンピオンズリーグ出場権獲得への望みをつなぐようであれば、チームにとって最善なのは、やはりサラーを起用することだろう。
今シーズンの彼が、期待を下回るパフォーマンスに終始した選手のひとりであることは確かだ。
しかし、それでも右ウイングで、ジェレミー・フリンポンとカーティス・ジョーンズを組み合わせるより優れた選択肢であることに変わりはないよ。
シーズンが進むにつれ、アンフィールドの空気がネガティブさを増しているのは理解できることだ。
これ以上の崩壊を防ぐためには、スロットは日曜日をもって自分の問題ではなくなる選手に対し、ある意味で腹を括る必要があるのかもしれない。
何しろサラーとは、クラブ最後の試合で往年を思わせる圧巻のパフォーマンスを見せても、まったく不思議ではないタイプの選手なのだからね。
グレッグ・エヴァンス
すべてのプレッシャーを、あえてもう一度アタッカー本人へ返せばいいのさ。
そこで彼自身に、最後にもう一度、「自分がこのチームでどれほど重要な存在だと思っているのか」をピッチ上で示させるべきなんだ。
リバプールは、チャンピオンズリーグ出場権を確実なものにするため、シーズン最終戦を勝利で終えなければならない。
もしサラーが、今なお自分で信じているほど影響力のある選手であるならば、結果を残し、自らにふさわしい送り出しを受けて去っていくことだろう。
最近の結果、さらに続く負傷者リストを考えれば、結局のところサラーを含めた布陣が、現状では最も強力なスターティングメンバーではないかな。
だからこそ、スロットは一度深呼吸をして、そこに集中する必要があるね。
これは、昨シーズンでのトレント・アレクサンダー=アーノルドを巡る状況とは異なるものなんだ。
当時スロットは、クリスタルパレスとの最終戦でアレクサンダー=アーノルドをベンチスタートとし、その後、レアル・マドリード移籍を前にした後半から投入したんだ。
あの時のリバプールは、すでにリーグ優勝を決め、完全に祝賀ムードの中にあったんだよ。
トレントの後継者として、コナー・ブラッドリーの存在も用意されていたしね。
しかし今のチームは、去りゆく英雄が結果を残してくれることを必要としているんだ。
スロットは、サラーを先発起用することで、敬意を示すことにもなる。
そして、クラブのレジェンドにとって感情が大きく揺さぶられる一日となる中で、ある意味では「より大きな器の人間」として映ることにもなるだろう。
サラーを外したところで、何かを得られるわけではないんだ。
たとえ、監督としての強さを示す行為としてであっても意味は薄いよ。
なぜなら、サラーの言葉は、この週末を過ぎれば、もはやスロットの問題ではなくなるのだからね。
カオイム・オニール

もし、アルネ・スロットがモハメド・サラーをメンバーから外すようなことがあれば、それはエジプト代表FWだけでなく、スロット自身の退場にもつながりかねない。
それは、すでにオランダ人指揮官を全面的には支持できなくなっているファンベースを、さらに激怒させるだけだろう。
シーズン終了後には何が起ころうとも去っていける立場のベテラン選手が、SNS上で監督への反乱とも言える行動を起こしたタイミングとしては、最悪に近い。
サラーは12月、自分が本来のベストから遠い状態にあるシーズンにもかかわらず、出場時間の少なさについて、クラブから「バスの下に放り込まれた(見捨てられた)」ように感じたと語っていた。
スロットはあの発言後に彼を外したが、今それを再び行うのは間違った判断になるよ。
もし日曜日、チームバスがアンフィールドへ到着する時点で、サラーがそのバスにすら乗っていなかったとしたら、すでに沈み込んでいるアンフィールドの空気はさらに暗くなるだけだ。
スロットは、すべてを超越しなければならない。
私なら、迷わずサラーを先発させる。
もし彼が最後にもう一度ヒーローになりたいのなら、やらせてみればいい。
そして彼の戦いが終わった時には、交代させ、リバプールでのキャリアにふさわしい拍手と祝福を受けさせるべきなんだ。
リバプールのファンにとって、今シーズンは祝うべきことがほとんどなかったじゃないか。
しかし、サラーやアンディ・ロバートソンのような象徴的存在に、きちんとした形で別れを告げられること、さらに来シーズンんのチャンピオンズリーグ出場権を決める勝利があれば、ひどいシーズンの終わりにも、少しは前向きな光が差すことだろう。
アンフィールドの空気を決定づける監督の決断
サラーを先発で起用するのか
ベンチに置くのか
それともメンバー外にするのか
記者たち大方の意見では、スタートから起用するべきという声が多かったように思います。
一方で、すべてが理想どおりの結末を迎えるとは限らないという厳しい意見もありました。
ひとつ言えることは、沈みかけているアンフィールドの空気、最終戦のそれを決定づける決断はスロットにかかっているということですね。
2025-26シーズンのリバプールは、どんなフィナーレを迎えようとしているのでしょうか。
