
アルネ・スロット監督がリバプールを率いたのは2シーズンで終わりを告げました。
感謝されての退任という形を取っていますが、実質的には解任だと言っていいと思います。
誰あろうスロット監督自身が、来シーズンも指揮を執ることを確信していたと言います。
実際、リバプールのオーナーグループであるFSGは、どれほど戦績が急落しても、そこにはさまざまな事情があるのであり、スロットを支持する姿勢を変えることはなかったとのだと。
ではなぜ、リバプールはスロット解任に踏み切ったのか?
そのへんのところをThe Athleticの記者陣が見解を示しています。
スロットに申し渡したのはリチャード・ヒューズだった
スロットの立場に理解を示し、続投を決めていたFSG。
特に中心的な動きをしたのは、リチャード・ヒューズとマイケル・エドワーズ。
支持はしていたものの、解任することをスロットに直接伝えたのはリチャード・ヒューズだったとThe Athleticは指摘しています。
シーズン終了後の1週間で状況を見直し
スロットの続投路線だったFSGでしたが、シーズン終了後に、改めて状況を見直したと。
そこで「変化が必要だ」という結論に至ったとされています。
では、何がFSGの幹部を動かしたのか。
大きかった2つの理由
The Athleticの記事は、かなりの長文に及ぶのですが、ざっくりと2つの理由にまとめてみると、プレー面だけではないものが見えてきます。
1 ドレッシングルームの空気
2 サポーターの間に広がる失望感
実際、ピッチ上でプレーをするのは選手達であり、ドレッシングルームの雰囲気が悪化すれば、試合でのパフォーマンスに影響することは想像に難くありません。
リバプールといえば、チームメイト同士の関係がよく、ドレッシングルームが明るいことで知られて来たのですが。
また、リバプールが持つサポーターは、「スロットのフットボールはつまらない」という思いが多数を占めていたと。
サラーの反旗は決定打ではなかった
今回、同誌の記事を読んでいて印象的だったのは、モハメド・サラーがSNSでスロット批判だと受け取れる発言をしたことは、直接的な原因ではないとしている点でした。
おそらく、サラーはその他選手達の代弁者だったのかもしれません。
最終戦終了後の姿が致命的だった
ブレントフォードと対戦したプレミアリーグの最終縁。
会場はアンフィールド。
ブレントフォードの中でもカオイムヒン・ケレハー、ジョーダン・ヘンダーソンの表情は印象的でした。
リバプールでは、アンディ・ロバートソンとモハメド・サラーが、アンフィールドのファンとの別れを惜しんでいた。
その時、カメラに抜かれたスロット監督の所作が、私としても少し驚くものでした。
ピッチ外周をまわる選手達に加わらず、スロット監督はベンチの椅子に腰かけたままだった。
これは、絵的にちょっと厳しいものがありました。
シーズン勝ち点60が示すもの
リバプールには苦しい時代もありましたので、思うように勝ち点を取れないシーズンもありました。
しかし、ここ10年間で見れば、最低の数字であり、特にユルゲン・クロップ時代には、勝ち点90を超えてもチャンピオンズになれないということもありました。
サポーターにとっては、受け入れがたいものだったことでしょう。
関係者の匿名による証言
The Athleticですが、今回は特にリバプールと距離が近い記者陣によって記事が書かれており、多くの聞き込みをしたそうです。
匿名にするということを条件に、チームに起こっていた内幕を聞いたと。
その結果、一番の問題は、ドレッシングルームを包むネガティブな空気。
さらに、KOPが我慢の限界に来ていたこと。
さすがに擁護できないと考えたか。
ただ、新しいチームづくりであり、プレースタイルの変化による凋落は、スロット1人の責任ではないだろうと私は思います。
それでも、戦績がふるわなくなった今シーズン、スロットが会見で見せる苛立ちや皮肉が、サポーターの支持を失う要因のひとつになったことは感じられます。
新監督のビジョンを尊重してほしい
リバプールの新監督候補としては、イラオラ監督が有力だと言われていますが、彼を信じるならば、ぜひ監督のビジョンを尊重したチームづくりを助けてほしい。
今回の件で、監督の在り方として、マネージャーとヘッドコーチという2種類の功罪が話題にもなりました。
リバプールは、チームとして一度ばらばらになった。
それを取り戻すには、強い求心力が必要になることでしょう。
選手達自身にかかるものも大きいのですが、何よりの力になるのはKOPの後押しであるはず。
もう一度、KOPのハートを熱くするチームを構築してほしいですね。
