
懐古主義に走ろうとしているわけではありません。
むしろ、現在のリバプールを見ているからこそ、改めて脳裏に浮かんで来る選手がいて、その価値を思い出してしまうのです。
華やかなスター選手ではなくても、陰でチームを支え続ける選手がいることで、リバプールは強さを保っていた。
派手さはなくても、チームを支え続けた2人
私が昨今よく思い出す2人、ファビーニョとジョルジニオ・ワイナルドゥムには共通点がありました。
決して派手なタイプではない。
しかし、実直にチームを支え続けることができた存在だったということです。
ファビーニョは、アンカーとしてリバプールを支えました。
相手の攻撃の芽を摘み、危険なエリアを埋め、味方が前に出た後ろを管理する。
彼がいるだけで、「このチームは負けない」という安心感があったように思います。
一方のワイナルドゥムは、黒子に徹することができる選手でした。
派手な数字を残すわけではない。
しかし、豊富な運動量でピッチのどこにでも顔を出し、ボールを失えばすぐに戻り、味方を助ける。
汚れ仕事を厭わず、試合の流れを安定させることができました。
だからこそ、クロップ時代のリバプールは激しく前に出ても、チームとしてのバランスを失わなかったのでしょう。
サイドバックが変わる今だからこそ必要な存在
現在、リバプールのサイドバックは大きな転換期を迎えています。
長年チームを支えてきたトレント・アレクサンダー=アーノルドとアンディ・ロバートソンの時代から、新たにジェレミー・フリンポン、ミロシュ・ケルケズという時代へと移ろうとしています。
しかし、この2人は非常にアグレッシブなサイドバックです。
高い位置を取る。
縦に出ていく。
時には自陣のスペースを大胆に空ける。
だからこそ、その背後を埋める“門番”が必要になります。
かつてのリバプールでは、その役割をファビーニョが担っていました。
サイドバックが前に出ても、その穴を埋める。
カウンターを止める。
危険なスペースを察知して先回りする。
派手ではなくても、あの仕事量と戦術理解は極めて大きかったのです。
中盤のダイナモ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム

ジョルジニオ・ワイナルドゥムに関して言えば、恐るべき運動量とともに、稼働率の高さが特筆されます。
私が記憶している限り、ジニが怪我で欠場したことはほとんどなく、あえていえばウィルス性の疾患でお腹を壊した時くらいだった。
クロップ監督は、決してファンタジスタではないジニを重用し、重要な試合では必ず彼をスタートから出してきましたね。
スター選手が最高のプレーを披露し、光り輝くための土台を築いていたのがジョルジニオ・ワイナルドゥムだと私は思います。
極端な言い方をすれば、ジニは自分の存在を押しつぶし、陰で重い仕事を担うプロフェッショナルだった。
スターを並べるだけでは強いチームにならない
結局のところ、スター選手を綺羅星のように集めただけでは、強いチームは成立しません。
前線に才能を揃える。
攻撃的な選手を並べる。
それだけで勝てるほど、プレミアリーグは甘くない。
誰かが走る。
誰かが埋める。
誰かが汚れ仕事を引き受ける。
その積み重ねが、チームを支えていきます。
そして、その象徴のような存在が、ファビーニョとジョルジニオ・ワイナルドゥムだったのでしょう。
もちろん、時代は変わります。
同じ選手を取り戻せばいいという話ではありません。
ただ、現在のリバプールを見ていると、スカッド・ビルディングの方向性そのものを、改めて考え直す時期に来ているようにも感じます。
華やかさだけでは勝てない。
陰で汗をかく選手が、中盤には必要なのです。
今だからこそ、ファビーニョとワイナルドゥムの価値を、もう一度思い出したくなるのです。
